収入が低いとそもそも恋愛や婚活市場に出てこない④
2024/5/4 公開
今回は何故、政府は子育て支援に力を入れるのに未婚者に対しては支援が弱いのかについて書きたいと思います。
とある国会質疑答弁の「晩婚化や未婚化に少子化対策のターゲットを当てるべきではないか」といった質問に対する政府の答弁から政府のスタンスがよく分かります。
政府の答弁:
「元より妊娠出産は個人の自由な意思決定に基づくものでございまして、政府としてインセンティブを付与するといったことは控えるべきであると考えておりまして、その上で希望する時期に子供を産み、育てたいと叶えることが出来るようにすることが重要でございます。」
「結婚、出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものでございます。家族の在り方や家族を取り巻く環境も多様化をしてございます。そのため個人の決定に対し特定の価値観を押し付けたり、プレッシャーを与えたりすることは決してあってはならないことと考えております。」
以上から分かる通り、未婚者が抱く結婚の意思決定や価値観に対し政府がインセンティブを与えることはないとあります。
至極ごもっともだと思います。
それなら政府は若年の未婚者に対して何をするのかというと、賃上げなど若い世代の所得を増やす取り組みや非正規雇用の正規雇用化による経済的不安の解消、地方の結婚支援センターによる働きかけといった発言がみられました。
つまり、政府としては「若年未婚者に対して結婚への不安を取り除き、結婚を希望する人に対しては子育て支援を充実させた窓口を用意する」というスタンスだと思います。
政府としてはこれが限界で、個人の意思への侵害から、これ以上のことは出来ないのだろうと思います。
先日、とあるSNSで東京都の港区議会議員による「第3子以降に1000万円」が話題となりました。
第3子以降とある通り、既婚者に対する子育て支援になります。
政府による子育て支援や、「第3子以降に1000万円」といった出産へのインセンティブとなる案は出てくるのに、結婚へのインセンティブとなる案は出てくる気配がないです。
ほとんどの日本人は結婚しないと子供を産みません。
結婚への障害となっている経済的不安の解消はもちろんのこと、結婚したくなるようなきっかけを生み出さない限り婚姻数はなかなか増えることはないと思います。
結婚したくなるようなきっかけは、現状だと政府から生み出される可能性はほぼないとみていいと思います。
となると、自治体や民間の中から生み出すしかないのかもしれないですね。