本当に少子化? -前編-
2024/04/16 公開
ネット上でこんな疑問を投げかけているのを見かけます。
「私の周りでは出産ラッシュで、スーパーや公園に行っても子供をたくさん見かける。本当に少子化?」
事実、週末の商業施設や大きな公園は子供連れの家族で賑やかです。
そのような光景を見たら、誰でも少子化が進んでいるのが信じられないと思います。
一方メディアでは少子化問題が報道され、行政や自治区では少子化対策に日々追われています。
最近とあるニュースが話題となりました。
「少子化の影響で紙おむつの需要が減少しているとして、製紙大手の王子ホールディングスは、子会社が手がける国内向けの子ども用の紙おむつの事業を終了すると発表しました。今後、国内では大人用の紙おむつを強化する方針です。」
王子ホールディングス 国内向け子ども用の紙おむつ事業終了へ 少子化の影響 | NHK | 少子化
まじですかー💦
恐らくですが、出産をしている家庭(出産をしてない家庭を含む?)と、出産とは無関係な独身の二極化が進み、出産をしている家庭は自然と同じような境遇の人たちと結びつく傾向があるため、周辺でも出産ラッシュしているのが目立つのではないかと思います。
少子化についての書籍やネット上の情報を見ると、ひとつ明らかなことが分かります。
それは社会的な地位や経済力、環境によって結婚しているかしていないかの格差が生じているという事実です。
少子化問題は様々な複合的要因が重なって難しい問題となっていますが、その中でも一つを取り上げるとしたら、正社員と非正規の職業的違いが結婚に対する意識と可能性に大きく影響を及ぼしていることです。
山田昌弘先生の著作「日本の少子化対策はなぜ失敗したのか」によると、「結婚」には好きな人と一緒にいるという側面と、一緒に経済生活を始めるという2つの側面があり、その2つが揃わなかったとき、日本(日本人)では経済生活を優先する傾向が強いそうです。
そのため、社会的な地位や経済力、環境によって結婚することにリスクが生じるならそれを避け、結婚したとしても子供が出来て苦労させることになるくらいなら最初から生まない選択をします。
それが日本人の大多数の傾向性であり、少子化問題にまで発展する原因でもあります。
もちろん、誰もがそうだとは限らないですが、データ上そのことが如実に物語っています。