自治体の少子化対策の限界
2024/04/26 公開
「はっきり言って、宮城県内でも子育て支援はトップクラスの町です。そういった子育て支援は当たり前のことになっているので、とにかく皆さんが子育てで休めるような働き方改革を国全体でやっていかないと。今の状況は、移住者を各自治体が奪い合っている状況です。日本の国の人口がどんどん減っているのに、それを奪い合っている状態なので、根本的な人口減少対策にはなっていないと私は思っています」
これは宮城県の川崎町・小山修作町長の発言になります。
この発言は今の、または近いうちにやってくる日本の少子化対策の限界を表しているのではないでしょうか?
数十年も前から子育て支援は何度も打ち出されていますが、そもそも子供を産める若年者は全体的に年々減り続けています。
限られた、しかも減り続けているパイを各自治体が独自の子育て支援で取り合ったところで、いずれは限界が来るのが見えています。
根本的な問題として子供が生まれなければ何の解決にもならないのです。
2024年の1月、2月の出生数が速報値として発表されました。
いずれも前年比で2000人~3000人マイナスとなっています。
少子化に歯止めがかかっていません。
子供が生まれた数がそのまま将来の子育て世代の数となるので、子供が減ることは子育て世代の減少につながります。
仮に兵庫県明石市の泉市長のように子育て支援で移住者を呼び込むことに成功したとしても、日本全体の子供の数が減っていたら何の意味もないです。
確かに、移住者を呼び込んで数々の子育て支援でもう一人の子供を産むきっかけになったとしても、それはその市や自治体の中での出産増加であって、他地域からするとむしろ子育て世代が減っただけに過ぎません。
一時的な処方箋を打つのではなく、根本的な問題にメスを入れないといずれ限界が来るのではないでしょうか?
根本的な問題とは未婚者が結婚するような少子化対策をすることだと思います。